3.システム導入に「だろう」は禁物
これまでの経験から、システムを導入する側が陥るパターンとして、「システムは何で もできるだろう」、「システム開発会社は分かっているだろう」と思い込み、開発会社 の表面上のシステム説明で稼働できると勝手に思い込む方が多く見受けられます。 確かにシステム開発会社のパンフレットには、有名企業が導入したシステムの事例や、 販売管理、購買管理、在庫管理、原価管理、会計管理が可能になり、経営効率が上がったなどとうたわれています。このパンフレットを信用して、業種が一緒だからうまく稼働するだろうとか、稼働している企業と同じシステムでいいだろうとか、この「だろう」という気持ちは、システム導入の際には最も慎まなければなりません。
なぜならば、管理名は一般的でも、導入する企業の業種・業態・組織体制によって、システム運用は異なってきます。例えば、同じ製造業の会社でも、同じものを繰り返し大量生産している業態なのか、個別受注品の生産を行っている業態なのかによって原価管理の仕方が違います。つまり、一口に、原価管理といっても業態により求めるものが違っているのにもかかわらず、同じシステムを入れてはいけないのです。 今、御社で行っている現状の業務運用・システム運用が他社でも通用すると思わないでください。販売・購買・原価・在庫等の管理名は一般的でも、体制・業務運用・システム運用は各社様々ですので、導入するシステムもそれぞれ違ったものになるはずなのです。